URL: 北陸中日新聞
黒部のスポ少児童 突然死
指導者、関係者に波紋
活動の委縮 懸念も
黒部市スポーツ少年団の夜間練習中、団員の小学三年生男児(9つ)が学校体育館で急死した事故は、市内のスポーツ指導者や教育関係者に波紋を広げている。市教育委員会は、AED(自動体外式除細動器)設置場所の見直しを各小中学校に要請。指導者や保護者向けAED講習会開催を決めたが、一方でスポーツ活動への影響を心配する声も出ている。 (広中康晴)
市内のスポーツ少年団は三十七団体。指導者はボランティアで務めており、仕事が終わってから練習に駆けつける人も少なくない。指導者が練習開始に間に合わない場合、体操やランニングなどの軽い運動を保護者が見守る。
今回の事故は十八日午後六時ごろ、指導者不在の練習開始直後に起きた。体育館にいた保護者六人は学校職員に連絡するとともに、一一九番通報。五分後に救急車が駆けつけた。
市消防本部によると、救急車が到着した時点で、男児は既に心肺停止状態。学校にはAEDがあったが、到着前に使用しなかった。市教委は「AEDは一般の人でも使えるが、そんな余裕はなかったのでは」と話す。
しかし、AEDの設置場所が少年団関係者に知らされてなかったのは事実。市は学校活動での事故に備え、五月までに市内の全小中学校にAEDを導入したが、少年団の活動中にAEDを使う事態は「想定していなかった」という。
しかし、少年団のほとんどが夜間練習に学校体育館を利用する。市教委はこうした実情を踏まえ、AEDの設置場所の見直しを各校に要請した。体育館やグラウンド近くの校舎内など二カ所に設置場所を設け、一台を活動に応じて移動させることも検討している。
同時に、教職員を対象に開いてきた講習会を、スポーツ少年団の指導者や保護者にも参加するよう呼び掛けた。これに対し、ある男性指導者は「大事な子どもを預かっている立場。講習を受けたい」と前向きだが、「保護者には大変かも」と話した。
事故後、「子どもたちのスポーツ熱が下がらなければいいが」という声も出ている。スポーツ少年団の活動には、保護者の理解や協力が不可欠。市教委は「事故の影響で、保護者がスポーツ少年団の活動に消極的になる事態は避けたい」と力を込めた。
◇AED(自動体外式除細動器)◇ 心臓が規則正しく収縮できず、ブルブルと震えてしまう「心室細動」の状態に、電気ショックを与え、正常なリズムを取り戻す医療機器。電源を入れると、操作手順が音声で流れ、心室細動かどうかも判断する。以前は医師や看護師、訓練を受けた救命士らしか使用できなかったが、2004年7月から一般の人も使えるようになった。
児童の急死を受け、記者会見する市教育委員会の本多省三教育長(中)ら=黒部市役所黒部庁舎で







